《MUMEI》

「この小鳥を‥ですか?」

「ああ、そうだ」

「‥‥‥‥‥‥」

やはり不安なのだろうか。

「冬夜」

「はい」

「世話なら私がきちんと責任を持ってやる。それに‥偶然とは思えんのだ」

「小鳥が鳥籠に入って来た事‥ですか?」

「ああ」

「そうかも知れませんね──」



冬夜は鳥籠を見つめたまま呟くと、ニッコリと微笑んだ。

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