《MUMEI》

「よしっ」

「!?‥お嬢、様?」

「決めたぞ。この子の名前を」

「どんな名前ですか?」

「ルカだ」

私の言葉に、冬夜は一瞬絶句した。

「‥それは──」

「ああ、私の名だ」

「何故それを?」

「私と同じく幸せになれるようにと願って」

「素敵な名前ですね」

「そう思うか?」

「はい」

「そうか」

‥‥?

「──ピィ」

ルカ。

お前も

そう思うか?



***

番外編‐鳥籠の中に‐終

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