《MUMEI》

銀二はそのままいそいそと自分の携帯を鞄から取り出して、部屋の隅に座る。どうやら電話をするらしい、言い掛けた言葉のやり場に困って俺は何となくラキストの子箱を手の平で弄ぶ。

「もしもしー俺ですー」

さっきの死にかけの声が嘘みたいに、テンションとオクターブがひとつ高めの声。
こんな時間に誰に電話だ?何となく気になって、耳を傾ける。

「はい、仕事終わったんでー」
「‥‥え、え、マジですか?」
「うーわー、マジでうれしいっすわ。俺それめっちゃ好きなんですよー!」
「ホントいいんですか?‥‥ありがとうございます!」
「あ、じゃぁ多分九時ぐらいにはお邪魔するんでー」
「あはは、ですよねー。‥‥あ、はい、んじゃ付いたら電話します」
「はぁい、どもー」

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