《MUMEI》
真菜視点
信じらんない信じらんない!!
「なんで〜?なんか教えたら何か都合悪い訳?つかそんぐれーで怒る意味分かんねーしぃ」
「だって内藤が困るじゃんか!私のメアドなんか何の役にもたたないのに知ってたって!」
「♪♪♪♪♪♪♪」
「…………」
「…………」
二人、一瞬でテーブルの上の私の携帯に釘づけになり…
「わっ!わっ!」
私は慌てて携帯を掴みトイレの中へ駆け込んだ。
―――登録すんじゃなかったよ〜!
絶対ディスプレイの文字お兄ちゃんに見られた!!
つ、つか…内藤から早速メールだよ〜!!
ドキドキしすぎて頭がパンクしそう。
便座の蓋に座り一回深呼吸する。
ああ…芳香剤のかくわしい香り!…って違う違う!!
――でも少なくとも私が期待する内容じゃ無いことは確かだろう。
――なんで坂井さんにアドレス教えてくれなかった?とか、お兄ちゃんとの仲を取り持って欲しいとか、私に直接関係ない事なのは確実。
でもね、それでも嬉しいんだよ?
だって…好きなんだもん。
頑張って諦めるって決めたけど、でもまだこっそり好きでいたい。
もうどうして良いか分かんないこの気持ち。
私は携帯を開き見る
―――――――
内藤逸樹です!
アドレス坂井さんに教えて貰ったぞ〜!
突然だけど今空いてる?
どっか飯行かね?
返事速攻ヨロシク
(^O^)v
―――――
――え?え?
バンッ!!
「お兄ちゃんっ!!」
「今晩は〜!」
「なっ!内藤っ!!」
玄関に内藤が立っている!そしてお兄ちゃんは私に買ってくれた、最近使いだしたサマンサタバサのバッグを私に差し出してきた。
「行ってらっしゃい」
「へ?」
「内藤君、少し位遅くなってもい〜からね?真菜の事ヨロシク〜」
「はい!お預かりします!」
「ちょっと!私行くってまだ……!」
するとお兄ちゃんは私の耳元にコソコソ吹き込んできた。
「イイ機会じゃん、内藤に言いたい事あるんだろ?きっぱり白黒つけてこい」
「お兄ちゃん…、」
お兄ちゃんの顔を見ると、なんでもお見通しだぞって言いたげに頷かれた。
うん!そうだ…、お兄ちゃんの言う通り!
振られてもいいじゃないの!
グズグズ悩むのは私らしくない!
ちょっと位…
行動したって良いよね?
私も無言で頷き、内藤の方を向いた。
「5分だけ待ってて!」
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