《MUMEI》
番外編‐紅茶を庭で
「お嬢様、どうぞ」

「?‥ああ、すまんな」

私達が今居るのは庭のベンチ。

「なかなか良い眺めだな」

「そうですね」

今日は少し雰囲気を変えてみようと言う冬夜の提案で、ここで紅茶を飲む事になった。

私はこの場所を気に入っている。

やはりここは格別だ。

花園のような庭で紅茶を楽しむのもまた良いものだと思う。

冬夜が来てから、私は紅茶を飲む事が多くなった。

それまでは殆ど飲まなかったというのに。

どうやら彼に付き合わされている内に、すっかり習慣づいてしまったらしい。

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