《MUMEI》 チョコバナナ(あ〜、疲れた) 私の目の前に、やっと『スーパーまるやま』の明かりが見えた。 咲子さんと丸山夫婦と 四人の人影が見えた。 「おっかえり〜、蝶子ちゃん!はい、これ!」 その時、私はかなり疲れていて、あまり深く考えないで行動を起こした。 目の前にある、大好きなチョコバナナだけが輝いて見えたのだ。 「食べる!」 良く考えれば、かき氷を置けば良かったのに パクッ 「うん、おいしい!」 私は俊彦が差し出したチョコバナナに顔を近付けて、一口食べた。 俊彦は、何も言わずに固まっていた。 「うわ、エロ…」 (はい?) 固まる俊彦の隣で和馬が意味不明な事を呟いた。 「…かき氷置きなよ」 「うん」 孝太に言われて私は溶けてきたかき氷を咲子さんの前にあるテーブルに置いた。 「他のも置いていいわよ」 「はい」 咲子さんに言われて私は荷物を全て置いた。 「俊彦、お〜い?」 和馬が俊彦の目の前で手をヒラヒラさせても、俊彦は微動だにしなかった。 孝太が無言で俊彦の手からチョコバナナを離し、私に手渡した。 「ありがとう」 「普通に食べろよ」 前へ |次へ |
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