《MUMEI》

「‥‥あ」

花の間を、ひらひらと舞っている。

「どうされました?」

「見ろ、蝶が飛んでいるぞ」

「あ‥本当ですね」

「楽しそうだな──」

何だか‥少し羨ましい気がする──。

「お嬢様‥?」

「ん‥?」

ああ、そうだった。

私は紅茶を──‥。

「───────」

「注ぎ足しますか?」

「ああ、頼む」

「──そういえば、この時期に蝶は珍しいですね」

「そうだな──」

遊びに来たのだろうか、それとも──。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫