《MUMEI》

かくして 一人と一体の 小夜子さん探しの 旅が はじまった。

…J県まで 電車で 二時間〜しかし…視線が痛い〜。
私の容姿に 不似合いな 小脇に抱えた くまのヌイグルミのせいである。

居心地の悪さを 感じつつ、電車は、ようやくJ県に到着した。

…さて I町ってどこだ?構内を 見渡すと 若い駅員さんが 歩いてくる。

「ああ〜I町なら そこの バス停 の 62番の バスに 乗れば いいですよ。」

「ありがとうございます。」
駅員さんに 笑顔で 挨拶して バス停に向かう。

小脇に抱えた くまさんが 忙しなく 動く。

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