《MUMEI》

「鈴木も言われたのか?」


京都に向かう新幹線の中でタツヤが嬉しそうに聞いてくる。


「あいつら勉強しかしてねぇから、その基準でしか考えられないんだぜ!バカだよなぁ〜」


俺は皮肉たっぷりに言った。


「だよなぁ〜。きっと、あいつらの人生ってつまんねぇんだろな。可哀そすぎ!」


なんて二人で母校の奴らの悪口を言いながら・・・


「でも・・・横国行きたかったぁーーー!」


「俺も神大に行きてぇーーーーーー」


と、ついつい本音が漏れる。


「ま、俺らはさ、しょせん負け組ってことだ・・・」


「そうだな・・・」


「どうせ滑り止めだしさ・・・」


「そうそう。お先真っ暗」


「この世の果てだな・・・」


結局は二人で暗くなり、


「唯一の救いはお前が同じ大学だってことだよ・・・」


「あぁー、俺もそれずっと思ってた!」


と、励ましあい・・・
そんな繰り返しだった。

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