《MUMEI》

「お嬢様」

「ん?」

「カップが傾いてます」

「ああ、うっかりしていた‥」

私は傍らにカップを置いた。

零しては厄介だからな‥。

「───────」

それにしても今日は良い日和だ。

「お嬢様、どちらへ?」

「花を摘んで来る。待っていてくれ」

私はベンチから立ち上がり、花の方へと向かった。

「‥‥‥‥?」

そこで私は、意外なものを発見した。

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