《MUMEI》

ゲッ・・・


俺はガックリしながら空いた席に座る。


来るんじゃなかった・・・


なんだよ、この教室男ばっかじゃねぇか・・・



「みなさんお揃いになられましたか?」


年配の男性が教壇に立って何やらしゃべり始めた。


「では、一人ずつ前に出て自己紹介でもしましょうか?」


は?自己紹介?


なんで前に出る必要があるんだよ、おっさん!!!


そんな俺の怒りとは裏腹に、トップバッターの男が関西弁で面白おかしく自己紹介をする。


それがまたクラス中に大うけでみんなが大爆笑している。


お前がそんなに喋ると次の奴も同じくらい喋らねぇといけなくなるだろっ!


案の定、次の奴もノリノリで話している。


何が楽しくてそんなに喋ってんだよっ!


「おれの趣味は・・・」


趣味とかどうでもいいだろっ!
何のアピールだよっ。


名前と出身地だけでいいんじゃねぇの?


俺がイライラしているのに、教室中は大爆笑だった。

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