《MUMEI》 乙矢の浮かれ方も気になるが七生の手元の行方も気になる。 「……どうして我慢出来ないの。」 極力荒らげないように言う。 「だって二郎の肌、俺に合わせて吸い付いてくる。」 爪が股関節を辿る。 「気のせいだよぅ……」 身体の芯が焼ける。 「だから、今確かめてるとこ」 確かめるというよりかは、まさぐってる 。 細かい息遣いが、声が、触られてないとこまでも熱っぽくする。 避けていた陰部へとにじり寄り、掻き分けていた指を一本、毛先に絡めてきた。 地肌が疼く。 「――――――ふ、はあ」 呼吸が深くなる。 寒くないのに震えた。 「二郎……来年は二人で過ごしたいな。」 ご無体なことしながらカッコイイ声使ってきやがって……反則技だ。 本気なのか不真面目なのか、言うこととやることがちぐはぐだ。 くりくりと絡ませた指先を遊ばせながら耳の下の凹みを吸う。 前へ |次へ |
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