《MUMEI》

ほどなく 62番のバスが 来た。
平日の昼間は 空いていて、私達の他に 乗客はいない。

「もうすぐ 逢えるぽ?」
…運転手さんに 聞こえないように 小声で 呟く くまさん。

「だと いいけどね。」
…バスは 見知らぬ 町並みを 写しながら 走る。

♪〜次は〜I町役場前〜I町役場前〜

…次だ!……

料金を払い バスを降りる。
さて これからだ。くまさんと 目を合わせて 頷く。

…U-123番地 田中さん
まず 誰かに 聞くのが一番だな〜誰か〜?
おっ…。

やってきたのは 犬の散歩の おっちゃん(笑)飼い主は 強面なのに飼い犬は チワワ。

「おっ U-123番地? う〜ん わからないな?すまんな ね〜ちゃん!そうだ 役場に 聞けば 分かるじゃねぇのか?ガハハッ」

…あ、確かに(笑)おっちゃん ありがと♪
ペコリと頭を下げて 役場へ 向かう。

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