《MUMEI》 新居祝い「新居祝い、何がいいと思う?」 千夏が楽しそうに聞いてきた。 「新居祝い???家を買ったわけでもあるまいし、ただの引っ越しだよ?」 新居祝いなんていらないわよ。 「気持ちの問題でしょ!」 千夏はどうしても新居祝いを買いたいらしい。 「無難に観葉植物とかでいいんじゃない?」 私は適当に答えたつもりだが、 「さすが愛加!それいいじゃない♪じゃ、私の方で準備しとくわ!」 と、千夏は喜んでいる。 「あ、お代は後で請求するからね」 はぁ〜? なんで私までお金を出すのよ・・・ 「あ、それと。私と高橋さんは昼間から引越しのお手伝いしてるから、愛加は夜から来てね!」 えぇぇぇぇぇ〜 「引越しなんて業者がいるじゃない。何を手伝う気なのよ?」 「業者だけじゃできないことを手伝うのよ!」 何よそれ? 「どうせ独身なんだから荷物も少ないし、やることなんてないわよ」 私がぶつくさと文句を言うと、千夏が「うるさい」と言わんばかりに言った。 「とにかく次の土曜日だからね!分かった?遅刻厳禁だからね!!!!」 「分かりました・・・仕事が終わったら、直行します」 前へ |次へ |
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