《MUMEI》

あれから何度も千夏からメールで念を押された。


なので私は今、猛烈に焦って仕事をしている。



やばっ!
そろそろ仕事を切り上げないと・・・


時計を見ながら焦って机の上を片付ける。


バサッ!


うわっ、あぁ〜あ
書類が落ちたぁ〜


泣きそうになりながら、散らかった書類をファイルに戻す。


ふぅ〜、
やっと片付いたわ・・・
そろそろ出ないと。


私はバッグを肩にかけて、急いで事務所を出ようとしたとき、


「佐藤さん!」


大西課長に呼び止められてしまった。


「帰るなら、この郵便を投函して帰ってもらえないかしら?」


「はい、わかりました」


私は課長から角2サイズの茶封筒を受取り、小脇に抱えて事務所を飛び出した。


早く行かないと怒られちゃう。


そう思いながら駅まで走り、ちょうど停車していた電車に滑り込んだ。




ハァハァハァハァ・・・




こんなに走ったの久し振り・・・




ハァ〜



大きく深呼吸をしてふと思う。


なんで私こんなに急いでんだろ・・・

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