《MUMEI》 ! 俊彦の左手が浴衣の隙間を縫うように入ってきた。 「はっ…や…」 「ドキドキしてるね…可愛い」 俊彦の左手は私の心臓近く…胸を直に触っていた。 「食べちゃいたい位可愛い」 「痛っ…」 俊彦が私の首筋に噛みついた。 「全部、全部可愛い」 「ちょ…ヤダ、こんな所で、やめてよ!」 私の浴衣を脱がしにかかる俊彦の背中を私は必死で叩いた。 すると俊彦が動きを止めた。 すっかり息が上がって、涙目の私を無言で見つめる。 俊彦は優しく私の手を取った。 「じゃあ、どこならいい? ラブホ? 俺の部屋? 手っ取り早く、俺の車?」 「そういい意味じゃ…っ…」 俊彦が私の指をしゃぶりだした。 舐めるなんて表現ではなく、吸い付いて、離さない。 「はな…してよっ」 私の人差し指と中指は、第二関節まで、俊彦の口腔内に入っていた。 私の言葉を無視して、俊彦は両手で私の手の平を掴んで二本の指をしゃぶり続けた。 「やだったらぁ…」 私は小さな子供のようにポロポロ涙を流した。 それを見て、俊彦はようやく私の指から口を離した。 私の指は、俊彦の唾液でベトベトだった。 前へ |次へ |
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