《MUMEI》 「うわ、大丈夫か!?」 包丁を置き、私の左手を掴む椎名くん。 「…ちょっと見せてみ」 …こ、この展開は… マンガとかでよくある… 怪我したドジなヒロインの手を取って、こう、口元に持ってって―… そんな… ど、どうしよう…!!! 「流して!!」 「…へ??」 「だから、傷口水で洗っといて!…ばんそーこ持ってくっから」 「…あ、はい…」 …そうだよね、 私ったら、変な妄想癖が…… 傷口を水で洗いながら、恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じる。 ずきずきと痛む指と同じリズムで、心臓が音を立てていた。 前へ |次へ |
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