《MUMEI》 不器用な気遣い〜麗羅視点〜 ヒソヒソ軍団一員は 「変なとこ見せちゃってごめんね・・・」 っとへへっと力なく笑いその場から立ち去ろうとした。 ヒソヒソ軍団一員の悲しみを含んだ笑顔が、栄実とかぶり無意識の内に彼女の手首を掴んでいた。 彼女はビックリしたように私を見つめた。 「・・・何?」 彼女は動揺を隠せないようで私に尋ねてきた。 彼女の問いに私は正直困った。 何か理由があって引き止めた訳じゃないから。 でも何故か放って置けなかった。 ヒソヒソ軍団は好きじゃないし怖いけど この子は・・・・・。 「ここに居たら・・・?」 何言ってんだろ私。 上手に振る舞えない自分に心の中で溜め息をつく。 えっ・・・。 すると意外なことに彼女の目からぽたりと一滴の水が落ちた。 「ごめ「違うの・・・!」 私が慌てて謝ろうとするのを遮って彼女は小さな声で、しかし力強く言った。 「私あなたに酷いことしたのに・・・」 彼女は、涙を流しているからか震えながら話始めた。 酷いこととはあの時のヒソヒソ事件のことを言っているのだろう。 「私のこと何も知らないのに・・・ 何で優しく出来るの?」 私の不器用な気遣いを彼女は優しさだと思ってくれたらしい。 前へ |次へ |
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