《MUMEI》 一人。私は、何も知らずに過ごしてきたのかしら。 玄関の門が鳴る。 「はいっ。」 モニターにはおさな馴染みの桜子の顔。 「美羽大丈夫?入っていい?」 「うん。今あけるね」 桜子は東京大学の法学部にかよっていて、半年ぶりに会う。 久し振りにみた桜子はすごく素敵なワンピースをきていてお化粧もしていて、別人のよう。 「美羽久し振りね!!!お祖母さまが亡くなったってきいて急いで帰ってきたの大丈夫?」 「わざわざありがとう!大丈夫よ。桜子、凄く雰囲気がかわったのね!」 「美羽、真剣な話しがあるの」 「??」 「多分美羽の事だから、今どうしていいかわからないでしょ?」 「そうなの!!エスパーね!」 「・・・・・・・あなた、天然なのよ・・・・」 「天然?」 どうやら、桜子は私が心配で心配で、本当に急いで帰ってきてくれたようだった。そこから色々な話を私に合わせてゆっくり話してくれた。 前へ |次へ |
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