《MUMEI》

懐かしい香りが頭をかすめる。


この香りの全てが、
あなたに届けばいい。


テーブルの上の残された手料理。


洗いさらされた食器に、日付の変わらぬカレンダー。


時間を止めた空間が、
懐かしいコーヒーの香りに染まる。


露出した狂気が僅かにやわらぎだす。


つけたままのテレビから、
見慣れた芸人達が楽しそうに笑っていた。

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