《MUMEI》 「じゃあ、寝てます」 いつもより、時間をかけて、何とかいつもより少なめの朝食を食べ終えた私は、歯を磨き、自室に戻った。 (心配かけちゃったなぁ…) 食べてすぐ寝るのはよくないとわかっていたが、私はすぐにベッドに入って、またため息をついた。 コンコンッ 「はい?」 私は横になったまま、返事をした。 「「蝶子ちゃん、大丈夫?」」 ドアを開けて、双子が部屋に入ってきた。 (そっか、夏休みだったっけ…) いつもなら、双子は学校に行っている時間だった。 「蝶子ちゃん、風邪?」 やこちゃんの言葉に私は首を横に振った。 「…プール、ダメ?」 (何で、プール?) せいこちゃんの質問に首を傾げながらも 「ごめんね、無理」 私は謝った。 「こら、またあんた達は、もう。 ごめんね、蝶子ちゃん」 咲子さんは私を気遣って、控えめな声で双子を叱り、私に謝った。 「いえ」 私はうまく笑えなかったらしい。 「本当に、大丈夫? 今から、やことせいこを町民プールに送っていくけど、すぐに帰ってくるからね。 何か、欲しい物とかない?」 「すぐって…大丈夫なんですか?」 前へ |次へ |
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