《MUMEI》
謝罪
送られてきたメールを見て、私は慌てて返信した。


電話にしなかったのは、今日は皆仕事だったからだ。

なのに、すぐに電話が鳴った。


《心配したんだからね!》

大声で怒鳴らた。


「すみませんでした」


小声で謝った。


《無事なのよね?!》


「はい」


(一応…)


本当はあまり無事では無いが。


《なら、…いいけど。あ、いらっしゃいませ》


お客様が来たようだ。


「本当にすみませんでした」


《もう、いいわよ。蝶子が無事なら
じゃあ、またね》


「はい、失礼します」


私はこのやり取りを何度も繰り返した。


(ふぅ、…やっと終わった)

登録済みの人達への謝罪を終え、私はホッとした。


昨日、花火大会の会場に私と俊彦がいなかったので、皆が心配して私の携帯に電話をかけたりメールを送ったりしたのだが…


私は電車に乗る時に電源を切って、うっかりそのままにしてしまっていた。


『俊彦の携帯も繋がらないし、やっと繋がったと思ったら、花火は人魚姫と見たとかわけわからない事言うし、心配してたのよ!』


私はひたすら、商店街の女性陣と華江さんに謝った。

(そういえば…)

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