《MUMEI》
平和=知らないこと
神、界拜静負(かいはいせいふ)と魔王、シギ・インフェルノは幼い頃からの知り合いであり、親友であり、共に神として、魔王として育った仲だった。

何世紀か前は天界と魔界はイガミ合っていたそうだが、自分達の時ぐらいにはすでに和解していた。

二人からしてみれば実にどうでもよかった、それよりも神や魔王に成るための訓練が異常にキツく感じていた、

その中で何度か静負とシギは1対1で試合をしたことがありその中で今の関係を築いた。

また、2人は訓練を抜け出して人間界によく行く問題児でもあった。



ある日、2人は人間界に異常な"力"が在ることを知り、見に行こうと言うことになった。

2人は人間界に行くときは人間の格好に自分を変える、静負は白い文字入りTシャツにジーンズとサングラスの何処にでも居る20代の男性になり、
シギは黒いTシャツに漆黒のジャケットを羽織り、黒い長ズボンを履いていた、こちらは見方によって30代に見えなくもない。

ある意味季節感が統一されていない気がしないでもないが、神と魔王である彼等は病気になどならないので勝手に好きな格好をしているだけであった。

そんな二人は"力"を辿りながら話を紡ぐ。

「なあ?こっちでいいんだよな?」

「……………。」

「?シギ?」

「…どっちかわかんねぇ」

「はぃぃぃ!?え、えぇー?だって力を追ってきたんだろ?」

「それがな…反応が上から来るんだ…。」

静負は上を見る、馬鹿デカい高層ビルの他には鳩の群しか見えない、

「………ん?」

静負は見た。鳩の群に混じり、"一つの塊"が真っ直ぐにこちらに落ちてくるのを、 ─そしてそれはまだ気づいていない自分の隣のシギをめがけて落ちてくることを。

「…!?あぶねぇ!!」

静負はまだ気付いていないシギを横に蹴り飛ばした、
直後、今までシギが居た場所に"一人の子供が"降ってきた。向こうで蹴り飛ばしたシギがフラフラになりながら文句を叫んでいたが気にしない。

少年は、髪は白と赤になっており、年齢は5歳くらいで口元には玩具を手にした子供のような見た目にあった無邪気な笑みを浮かべている。

だがその笑みはどこか狂喜じみていた、
───まるで獲物を見つけることができた獣のようでもあった。

この時、静負とシギは即座に危険性を感じ、異常な体質と能力のため、苦戦しながら少年の人格を力を使い"裏に"隠した。


───これが少年と神と魔王の間に起きた"日常の中の些細な事件"

この三人以外、知るものはいない。
始まりの事件



───これが緑妖死鬼との最初の出会い。

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