《MUMEI》

私は、着信履歴をもう一度確認した。


(誰だろう、これ?)


知らない番号と、メルアドが一件ずつあった。


電話は一時間毎に、メールは花火大会の時間帯は分刻みに入っていた。


留守電は、皆女性陣からだったし。


メールの内容は『どこにいる?』だけだった。


私は、メルアドに並んだ数字を見つめた。


(これってもしかして、生年月日?)


生まれた年は私より二年早かった。


(俊彦と同じか)


私は俊彦とずっと三つ違いだと思っていたが、『学年が三つ違い』で、年は二つ違いだった。


(て、何でそこで俊彦を思いだすの?)


私は自分にツッコミを入れた。


他にもこの年代はいるはずだ。


(あ…)


思い当たる人物が一人いた。


(あれ? 私、携帯番号なんて教えたっけ?)


一方的に教えられた記憶があるだけで、教えた記憶は無かった。


私の携帯番号とメルアドを知っているのは


この町では


咲子さんも含めた商店街の女性陣と


衛さんと


それから…


(双子からか!)


私は頭を抱えた。


謝罪する人物が一人増えた。


その時、その人物からメールが来た。


『今から行く』

と。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫