《MUMEI》 「「できたー!!」」 何か、スゲー達成感!! 「いー匂いだあ!!」 蓬田がうっとりと言う。 「だろ、美味いぜえ?」 「うん!!すごく美味しそう!!」 ―…こんなに喜ばれたの、初めてかも… …嬉しいな、なんか。 「…じゃ、後はじゃがいも壊さないように皿につぐだけだから、」 「…あ、帰るの…??」 「ん、ゴジラ待たせてるしな」 「そ、そっか」 見送ると言って、蓬田は店先までついてきた。 「―…ありがとうね!!また教えてね!次はもっと頑張るから」 蓬田がにっこりと微笑んで言う。 …言ってみよう、か―… 「おう。―……あの、さ」 蓬田が、ん??と首を傾げる。 「―…いや、なんでもねえ!!…じゃあ、また明日な」 「??うん。明日ね!」 …やっぱ言えねえよな。 空手の練習行ってくれ、なんて―… 蓬田は、『おれ』じゃないんだから。 前へ |次へ |
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