《MUMEI》

歓迎会の時のように、私の足に触れられたら、あの時のようになるかもしれない。


私が青ざめて、震えて固まれば、俊彦はまた傷付くだろう。


(そんなの…嫌)


私は、好きになっても、傷付けるだけなら、これ以上好きになってはいけない気持ちになってきた。


もう一度、深く深呼吸をする。


いくら考えても


私の俊彦への気持ちに答えが出る事は無かった。


時計を見ると、既に日付が変わっていた。


(寝よう)


とりあえず、二人に対しての気持ちの整理はついたから、明日もし雨が降って、『シューズクラブ』に行くことになっても、四分の三の確率で、普通に接する事ができるから。


(何か言い訳っぽいな)


しかし


私の気力はもう限界だった。


(ごめんね、俊彦…)


キャンドルが終わるのを見届けて、私は眠りについた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫