《MUMEI》 歓迎会の時のように、私の足に触れられたら、あの時のようになるかもしれない。 私が青ざめて、震えて固まれば、俊彦はまた傷付くだろう。 (そんなの…嫌) 私は、好きになっても、傷付けるだけなら、これ以上好きになってはいけない気持ちになってきた。 もう一度、深く深呼吸をする。 いくら考えても 私の俊彦への気持ちに答えが出る事は無かった。 時計を見ると、既に日付が変わっていた。 (寝よう) とりあえず、二人に対しての気持ちの整理はついたから、明日もし雨が降って、『シューズクラブ』に行くことになっても、四分の三の確率で、普通に接する事ができるから。 (何か言い訳っぽいな) しかし 私の気力はもう限界だった。 (ごめんね、俊彦…) キャンドルが終わるのを見届けて、私は眠りについた。 前へ |次へ |
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