《MUMEI》
暇!
――くそ〜!惇に相手にされなかった!!



つか久し振りに連絡してみりゃーエッチの最中かよ!



冷蔵庫からまたビールを出して飲む。



う〜んなんかおちつかねえ!



真菜〜!



まだか〜!





――いやいや、俺はちっとも心配じゃねえよ?


だってアイツはもう子供じゃねえし!!



ちょっと位、うん、別に朝帰りされたって〜いや…それはまだ早いだろう!!




ガチャ!



「ただいま〜!」



「ま、真菜!!早かったな!」




「そう?はー。シャワー浴びよ」




頭をかきながら真菜は浴室に消えた。




日付が変わる前に帰してくれるなんて内藤君…イイ奴だな。




「♪♪♪♪♪」



ビール飲みながらメールを開くと内藤君からだった。




―――――――
今起きてますか?
マンションの下にいます
―――――――





――はあ。




なんでしょうね?





俺は煙草と携帯をケツポケットに突っ込んで、飲みかけの缶ビールを片手に家を出た。




マンションの外に出ると内藤君は、マンションの入り口の縁戚に座っていた。




「夜分すみません」



「あ〜良いけど、今日は世話んなったね〜」


一端立ち上がった内藤君に俺はまた座ろって言って二人並んで縁戚に座った。



「ちょっと話たい事があって…」



「分かってるよ、だから呼んだんだろ?」


グビッとビールを飲む。



〜あ〜今日何本目だろ?




――暫しの沈黙。






内藤君は何回か深呼吸して切りだした。


「―――加藤に聞いてます?俺が加藤に……、その…」




――何だよ、そっちか

「うん、まあ、だいたい…」


「…そうですか」



内藤君また黙ってしまった。



まあ花籠の男と内藤君がガチったのは最近なんだけどさ。


――いや〜、びっくりしたけど…、惇に内藤逸樹って知ってっか?って聞いたらお前にあげた花の男だって言われて。




「でもさ、もうふっきれたんだろ?だから…な?まあ、俺は何も口出しするつもりないからさ」




俺は最後の一口をグビッと飲む。

「あの!坂井さん!」


内藤君はいきなり立ち上がり俺の前に立った。

「俺!俺、好きなんです!」



「―――真菜」

「え?」


俺の視線に気づき内藤君もマンションの方を見た。


すると真菜は走りだしてしまった。

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