《MUMEI》 絆創膏 〈私〉「ただいま〜」 椎名ママが帰ってきた。 「お、お帰りなさい!!」 「…ん?いー匂い!!肉じゃが!?」 嬉しそうに鍋の蓋を開ける椎名ママ。 「…同じ味、なんだよね〜… ―…先に風呂、入ってくるわ」 「あ、はい」 …同じ味、って…?? お風呂場へと消える背中を見送りながら、首を傾ける。 ……それにしても椎名くん、さっき何言おうとしてたんだろう… 何か思い詰めてたみたいだったけど… 明日、私から訊いてみようか。 私に出来ることなら、何でもしよう。 人差し指の絆創膏を見つめながら、そう決めた。 前へ |次へ |
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