《MUMEI》

「はい…どうぞ。」
…ドアを 開けると、年配の上品な 女性が 微笑んだ。

「どなた?」
と 聞いた 女性は 私の 胸に抱いた くまさんを見て〜

「あっ!」と呟き 見る見る内に 泣き顔に なった。

「小夜子ぉ〜♪逢いたかったぽ。」

くまさんは 腕の中から 飛び出し 小夜子さんに 抱きついた。

私は 二人に 気付かれぬように 廊下に出た。

ドアの前で お辞儀をし…さよなら…と小さく 呟いた。

私の役目は 無事に 済んだのだ。幸せそうな 二人に 逢えて 良かった。病院を 出て 帰路に 着いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫