《MUMEI》 「はい…どうぞ。」 …ドアを 開けると、年配の上品な 女性が 微笑んだ。 「どなた?」 と 聞いた 女性は 私の 胸に抱いた くまさんを見て〜 「あっ!」と呟き 見る見る内に 泣き顔に なった。 「小夜子ぉ〜♪逢いたかったぽ。」 くまさんは 腕の中から 飛び出し 小夜子さんに 抱きついた。 私は 二人に 気付かれぬように 廊下に出た。 ドアの前で お辞儀をし…さよなら…と小さく 呟いた。 私の役目は 無事に 済んだのだ。幸せそうな 二人に 逢えて 良かった。病院を 出て 帰路に 着いた。 前へ |次へ |
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