《MUMEI》 文化祭デノ流理ノ仕事2年3組の出し物は、普通に飲食店だった。 夏に行われるということで、店は屋台仕立て。調理担当の人ははっぴを着て、接客担当の人は浴衣を着るらしい。 「オレは何をすればいいの?」 「谷口料理できないでしょ?もちろん接客」 「オレ料理得意だよ。毎日朝・昼・晩作ってる」 「え、じゃああの弁当って谷口の手作り?」 「そうだよ」 「もしそうだとしても、谷口くんは接客担当!」 「谷口が裏方ってどういうギャグだよ!おもしろくもなんともねぇ!」 みんながどうにかして、オレを接客担当にし、売り上げ一位を狙っている魂胆は読めた。 「わかったよ!接客担当にまわる。…でもオレ浴衣持ってないんだけど」 「浴衣……持ってないの?」 オレはうなずいた。 「私の兄のが多分あったはずだから貸してあげる!」 「身長とか大丈夫なの?」 「谷口身長いくつ?」 「約180pくらいかな」 「うちの兄は昔バレーしてたから大丈夫よ」 「じゃあお願いします。川村さん」 川村さんは嬉しそうに笑った。 「楽しみだなー。文化祭」 ……仕事、重ねないようにしないとな。 前へ |次へ |
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