《MUMEI》
▽




「――佐伯クマできてる」




「そ、そお？気のせいじゃね？」







「そんなんで気のせいもなんもねーだろ！」






俺の後ろの席に座る日高は高校に入ってから一番始めに仲良くなった奴だ。






今現在親友の関係にまで発展した仲でもある。





ちなみに俺達は彼女がいなくて、誰か紹介してくれ〜っていつも合唱している。





「それとひきかえ長沢はすっきりした顔して〜！スッゲー対象的…」





俺は日高の視線の先を見る。






すると後ろのロッカーに寄りかかり数人と楽しげに話ていた。








「長沢と同じ中学の奴が言ってたんだけどさー、アイツ中学時代から相当なヤリチンらしいぜ？
まああんだけイイ男だったら黙ってたって女寄ってきそうだけどな〜、はあ…羨ましい…」




――確かに長沢はイイ男だ。





身長高いし顔もイイ。


しかし！




でも男なんだ！





そして俺も男―――。



「！！！！」




長沢と目線があってしまい、俺は慌ててそらした。


「どうした？顔赤い」


「な、何でもね〜よ！」

前へ |次へ
作品目次へ
ｹｰﾀｲ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫