《MUMEI》 謝罪〜麗羅視点〜 「優しくなんかないよ」 私は、彼女に言った。 「分かるよ。私の・・・・・」 彼女はそこで言葉を切った。"分かるよ"って言った時の彼女はとても穏やかに微笑んでいた。 出てくる前に飲み込まれた言葉からは、切なさが伝わってきた。 何となくその先は、聞いたらいけないだろうと感じた。 「・・・・・ごめんなさい」 彼女の口から想像もしていなかった言葉が飛び出した。 「でも、あの時あなたは一言も私の悪口言ってないじゃない」 彼女がヒソヒソ軍団に居たのは、事実だけど その中で私の悪口を言わなかった唯一の存在だった。 「でも、あの状況に居たのに止めようとしなかった・・・悪口を言っていたのと同じよ。」 彼女は反省しているらしく、しゅんと肩を落とした。 「いいよ。気にしてないから」 そんな彼女に私は優しく微笑んだ。 「私の言葉信じてくれるの・・・?」 「うん」 彼女の遠慮がちな質問に私はもう1度微笑んだ。 前へ |次へ |
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