《MUMEI》
マニア的領域
いびきまでかいて眠ってしまった秀幸を残し俺は一人ホテルを出た。
初めての関西の電車にドキドキしつつも、直哉の兄貴に聞いていた通り電車を乗りつぎ、目的の駅まで辿り着いた。
そして何分もかからず病院についた。
今から行くってホテル出る前にメールした事もあってかおばさんが入り口のベンチに座ってて待っててくれた。
しかも直哉もそこに座っていて…
「遠かったでしょ〜?わざわざ来てくれて有難うねっ!」
「そんな、俺直哉に会うのめっちゃ楽しみで…!直哉、久し振り、頑張ってたか?」
すると直哉はニコッと笑ったかと思うとスッと立ち上がった。
「―――!直哉!?」
「ボイタ使い様様よ!椅子も杖も無しで完璧に歩ける様になったのよ!」
おばさんは得意気に凄いらしい理学療法士の先生の話をしだした。
俺には何が何やらだったけど、とにかく直哉がその特別なリハビリのやり方を極めた先生のお陰で激的に良くなったのは一目瞭然で、おばさんの指示で目の前で走れるところまで見せてくれた。
つかおばさんの話は会う度にマニアックになっていく。
直哉のリハビリの為に色々調べているうちにもの凄い知識を蓄えてしまったみたいだ。
「次は本番ドイツに行こうかと思って!アハハハ!」
「良いですね〜!そしたら必ず会いに行きますよ〜!」
ついでに本番のソーセージと本家のティディーベア買ってきたいとかおばさんは冗談っぽく言った。
ちなみに病院ちょこちょこ抜け出して大阪B級グルメも堪能しているらしい。
リハビリのついでに色々と楽しんでるみたいだ。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫