《MUMEI》

どうして…って……


「わざわざ話すことでもないじゃない。言う必要もないと思うし…」


そんな私の適当な言葉に千夏は反論する。


「でも佐久間さんと太一はこれから同じマンションで暮らすんだよ!仲良くなったらどうするのよ!?」


「別にそれならそれでいいんじゃない?」


と言いながらも、実際にそうなれば困る…

って…なんで困るんだろ?



「愛加はどういうつもりなの?」


千夏の口調が少しきつい。


「どうって……千夏こそ、なんで急にそんなこと…」


私は千夏が何を言おうとしてるのか全く検討がつかなかった。



「佐久間さんは愛加のことを大切に想ってる……だから大切にしてあげて欲しいの……ただそれだけ…」


え?


「何よそれ?佐久間さんはただの友達だし、大切も何もないわよ…誰がそんなこと言ったの?」



この時、私は話の内容よりも第三者の千夏に首を突っ込まれてる気がしてとても不愉快だった。



しかし千夏はお構い無しに言いたいことを言った。



「見れば分かるわ。でも愛加はそれに甘えてる。それが許せないのよっ!!!!」

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