《MUMEI》

電車のドアに映る自分の顔をボーッと眺めながら、千夏との電話を思い返していた。





千夏があんな風に言うなんてビックリしたなぁ〜


正直ちょっと傷ついた…


でもそれだけ千夏は高橋さんのこと好きなんだよね…


この年になって片思いだなんて、千夏って案外純粋なんだなぁ〜。


なんだか微笑ましくて羨ましい…フフフ


なのに佐久間さんと重なるなんて!?


たしかに佐久間さんは私のことを好きかもしれないけど…、だとしても千夏のような気持ちじゃないよ…。



もっともっと浅い、上っ面だけの気持ち…


その場だけ楽しくて……


寂しさを埋め合って……


楽な関係……




あの人はそれ以上を私に求めてはこないし、それに今の私たちはそれでバランスが取れてる。





でも……もしどちらかに恋人が出来たら?




もし私が太一と………――




なわけないか……きっと毎週末は津田沼だものね。



太一は………私との再会、どう思ってるんだろ?

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