《MUMEI》

小さく眉を歪める僕の背後で、中島は語り続けた――……。



「いや――…

…全て僕が悪いのさ――……。

僕が彼女のSOSに気付いてあげられなかったんだ――……。」


中島の声は、今にもしゃくり上げそうに弱々しかった。


「中島…そんなに自分を責めるなよ…。

考え過ぎだって…。」



僕はマッセの構えから、キューを突き下ろした。


――…カッ……シュルル…


手玉が弧を描きながら9番を迂回し、ポケット際の7番を捕えた。

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