《MUMEI》
白い山
白い山がはるかむこうに見えた。
あの山はなぜあんなにも白いのだろう
今は冬でない。しかし春でも夏でも秋でもない。
白いのは雪ではない
それだけはわかる。

しだいに自分が立っているこの場所も白いことにきがついた。
足を動かすとガシャリと音をたてる
白のそれは
骨であった

それ,ときづいた瞬間に
嘔吐感がこみ上げ
口をおさえて耐えていると
それはしだいに細かくなり
白の砂になっていた




砂は雪になった

白い雪は黒くあてのない空から落ちてくる



周りの冷たい空気を
すうと吸い、はあと吐く

青白いけむりに
ふと目がさめる

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