《MUMEI》
白い山 2
私は白い砂の丘の上にいた
見渡す限り白の砂
空は真っ黒で
ただ一つ細い月が光っていた

唯一の光
月は私にこのなに者もない世界を見せるけど
月がいなければ闇がくることがわかっていた
闇はだめだ
そんな気がする

月はひどいくせにやさしかった

うすあおがかったけむりを今日もよこした
すこしあたたかくて、ほんのりあまく匂う
それは私のための特別な睡眠薬
私はコレ以外で眠れなどしない
砂の上にねころび
あまい匂いを一息二息すう
するといとも簡単に眠りがやってくる
私はまぶたをとじる

そして私は眠る
とじるまぶたに映ったのは
今日もやはりあの月だった

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