《MUMEI》

「・・・・そんな、」
「ん?」
「そんなわかりやすいですか、俺」
「んー。いや?俺だけでしょ」

俺だけって、どんだけ店員のこと見てんだよ。アイツのことにしても今回のことにしても、動物的な勘なのか、大人っていうのはそういうもんなのか、この適当な雰囲気をまとった男の観察力には素直に驚く。

「・・・・気持ち悪くないんすか?」
「別に?」

ぽつりと落ちた言葉に、店長は俺の顔をまじまじと見つめた。細い目が少しだけ見開かれる。

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