《MUMEI》 「そんなしょぼくれんなって、別にどうこうしないから。ただ気になっただけだし」 「・・・・やっぱり、変ですかね」 「変、かもしれないけどさ。そういう奴もいると思う」 「・・・・」 「だから、気にすることじゃないよ。あー、俺が図星つっついたのは悪かったけどさ、理解者の一人や二人いたって悪いもんじゃないだろ?」 「そう、ですね」 ばしん、と後頭部をはたかれた。神妙な雰囲気をかき消すように、笑われる。 「俺ゲイっすかー」 「ゲイだねぇ」 結構なカミングアウトなのに、した側もされた側も何でもないことのように笑う。ぴしぴしとこわばった身体が寒さの中でもゆるんでいく。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |