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《MUMEI》 ◇◆◇ すると草薙は訝しげに黒蝶を見返す。 「何故隠れていた」 「いや、咲弥がお前に用みたいだったから入れてやったんだ。隠れるつもりはなかったけど‥でも──暇だったしな」 その言葉に草薙が顔をしかめたのは言う間でもない。 「‥‥暇を持て余す余裕があるのなら少しはその態度を改めたらどうだ」 「はぁ‥。お前は何でそう説教染みた事ばかり言うかな‥」 「気に食わんと言っただろう」 「じゃあお前に気に入られるにはどうしろって言うんだよ？」 （──楽しい人達‥） 咲弥は苦笑していた。 だが二人共、それには全く気付いていなかったのである。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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