《MUMEI》
息継ぎ
俺の彼女を捨てたのか、他の女も捨てたのか、兄貴の口から聞きたかった。

兄貴が女友達が多かったことは知っていた、ただ漠然と兄貴がそんな酷い振り方をするとは信じられなくて、本人の口からちゃんと聞き出したかった。


兄貴はその時、病気貰ってきたてでセフレがアパートに押しかけていた。
俺は間が悪く幾人もの女に囲まれてしまう。


「国雄の弟ですって?」

「今何処に居るのよ」

「抜け駆け狡い」

「待ちなさいよ!」



怖くて四階から階段を一気に駆け降りた。

苦しくて、鬼にでも追い掛けられたみたいだった。

無理をしたせいで喘息が出た。
話し声が遠くから響いて、けど追い付かれていた女達は兄貴の事で俺を囲みながら揉め始めた。





………………助けて

苦しいんだ。
呼吸が上手く出来ない。

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