《MUMEI》

最近調子が良いと思って財布以外は持っていない。



「――――幹祐」

空から引っ張られる感覚。

国兄だ。
国兄が来たら安心だ……

煩い人達も静かになる。



息が出来るようになると何故静かになったか気付いた。

兄貴は口伝いに空気を送っていたのだ。

もう十分なのにも関わらず唇が離れない。

喘息ではない別の苦しさを味わう。





「俺のに酷いことするの止めてくれる?」

その一言で一掃した。

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