《MUMEI》
見送り・仕込み
「じゃあね!今度は年末年始にね
クリスマスプレゼントはちゃんと送るからね
あと、風邪引かないでね
誰かにいじめられたらすぐ言うんだよ、飛んでくるから!
それから…」


「はい、帰るわよ」


華江さんは父を車に押し込んだ。


「ちょこちゃん、またね」

「うん、またね」


…素直に車に乗り込む友君の方が大人に見えた。


「じゃあね、蝶子ちゃん。咲子さん・衛さん。やこちゃんにせいこちゃんも…
可愛い『娘』をよろしくお願いします」


華江さんは、工藤一家に頭を下げて、車の運転席に乗った。


私は、車が見えなくなるまで見送っていた。


「さて、明日の仕込みしましょうか」


「はい」


私と咲子さんは荷物を置くと、二人で『スーパーまるやま』に買い物に出かけた。


『白石肉屋』には、衛さんが行ってくれた。


それから、私と咲子さんは軽く仕込みを済ませた。


「さすがに疲れたわ〜」


「お疲れさまです」


自宅に戻ると、咲子さんは台所の椅子によりかかった。


「あ、蝶子ちゃん、ちょっと待って」


「はい?」


お茶を入れようとすると、咲子さんに止められた。


咲子さんは立ち上がった。

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