《MUMEI》
乙矢4歳
いつも猿みたいな奴が二人暴れ回っていた。“ななお”と“かえで”だ。


父さん母さんが家が近くて友達だったので兄弟みたいに育てられた。

……俺以外は。

二人は姉さんに似て粗野で乱暴でまあ、単細胞に育った。
俺はそれらと一緒くたになるのが嫌だった。



そんな自我が芽生えつつある4歳のとき。

「ほら、お隣りさんよ。皆大きくなったのね。」

新しい隣人が挨拶しに来た。

「こんにちはあ」

間延びした挨拶をする。
太郎という姉より年上の兄弟だ。

優しそうに笑う人達に抱かれて眠る麻美という赤ちゃんさえ優しそうに見える。
自分より下の妹だ。



「じろー、こんにちはは?」

太郎の後ろにしがみついて隠れていた、新しい兄弟。

俺を恐る恐る見て、目が合うと隠れてしまう。
そんな猿では真似出来ない芸当をする。

……衝撃的だった。

世の中にはこんなにか弱いものが存在しているのか。
思えば一目惚れだったのだ。



それが二郎との出会いだった。

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