《MUMEI》

うっかり『うん』と言いそうになった。


「残念」


俊彦は悪戯っぽく笑った。

「…何か、変わった?」


「そりゃ、これからいっぱい誘惑するから」


俊彦の言葉に、私はドキッとした。


「おやすみ、蝶子」


「…おやすみ」


俊彦が帰って。


遅めの夕食を一人で食べて

お風呂に入って


寝る時に、気が付いた。


俊彦が、私の事を『蝶子ちゃん』でも『マーメイドちゃん』でもなくて『蝶子』と呼んでいた事に…

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