《MUMEI》
文化祭2日目
「お、おはようございます!」

「……そんなに緊張すんな。オレは本当はスゲェおとなしいんだ」

「わ…私別に有理さんのことっ落ち着きないなんて思って……」

「車椅子になってからはベッドの中でだけ♪」

環は顔を真っ赤にした。

こういう話は慣れてない。
しかも恋人の流理と同じ顔が言うから余計に変な想像してしまって、慌ててしまう。

その様子を有理は楽しそうに見ていた。

「夏坂さんってさ、本当流理とお似合いだね」

「!?どっ…どうしてそんな話になるんですか!」

「流理もこういう話するとすごく慌てるからね。夏坂さんと一緒。流理とくっつけて本当に良かったなって思うよ」

環はさらに顔を真っ赤にさせた。

「そ…そろそろ行きましょうか」

流理に言われた通りに有理にメガネをかけさせ、前髪を下ろし、陽が強いので帽子をかぶってもらった。

「今日1日よろしく」

「こちらこそっ!よろしくお願いします」


***


「あぁ……心配だなあ……」

「谷口くん、何が心配なの?」

「そりゃあミスター光岳コンテストに決まってんだろ?大丈夫だよ!お前なら絶対優勝だから」

「う、うん。ありがとう」

悩みはそれじゃなくて、有理と環さんのことなんだけど。

「あ、もう時間じゃない?」

「え、もう?山本くん、浴衣直すの手伝ってくれないかな」

「OK」

ミスター光岳コンテストが始まる。

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