《MUMEI》

布団の上に置いとくか電源を切っておけばよかった、乾いた口で舌打ち、布団から手を伸ばして赤々とランプを灯し続ける携帯を掴む、ひんやりと冷たい。
ぱき、と片手で携帯を開くと浮かび上がる名前、

「っ、」

思わず目を見開く、何でこいつから?右下の数字を見ると10:35、帰宅して布団に入ってからそんなに経っていない、たしかアイツは9:00からカノジョとクリスマスパーティーきめてんじゃ、

考えるより先に親指が通話ボタンをプッシュ、耳に当てると聞こえてくる声

「なおひろー」

に重なるドアの向こうの、声?

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