《MUMEI》
消えたリップ
職場に到着し、いつも通り自分の席に座る。


そしてじーっと周りを眺める。



何も変わった様子はない。


職場じゃないわよね・・・


そして、通常通り仕事を始めた。






仕事をしていると、仕事で頭がいっぱいになって手紙のことなど忘れることができた。




「さとちゃん、どしたの?今日はバリバリじゃない?」


隣の席に座るリナ先輩から声をかけられた。


彼女は私の苗字「佐藤」を文字って私のことを"さとちゃん"と呼ぶ。


「私、今月やばいんです!もう少し契約取らないと」


必死な私に対してリナ先輩は・・・


「適当でいいじゃん、そんなの。それよりさぁ〜リップ貸してよ」


と、呑気な事を言う。


「え?リップですか?ちょっと待ってくださいね!」


そう言って私は机の中をゴソゴソと探す。





あれ・・・?


ない!


リップがない!?!?


「まだぁ〜?」


リナ先輩が催促する。


「すいません・・・あれ?」


私は化粧品を入れている引出しを必死で探すがリップが見当たらない。


「おかしいな・・・」


ここにあるはずなのに。


「ないならいいよ」


リナ先輩が諦めて他の子に


「リップ貸して〜」


と言っている。


私はリナ先輩のことなんかよりも、あるはずのリップがないことに疑問を感じていた。


なんでないの??

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