《MUMEI》

「あー寒かった!雪結構積もってんよー」

勝手知ったるなんとやらでさっさと上がり込む訪問者、ドアの向こうには確かに白銀、眺めようとすると寒いから早く閉めてと却下される。

「‥‥つか何しにきた?」
「何ってクリスマスパーティー?」

いやきかれても。
渡されたコンビニ袋の中は酒とつまみ、白い箱には近くのケーキ屋のシール。マジでクリスマスパーティする気なのか?
銀二はジャケットを脱ぎ捨てると暖房のスイッチをオンにして、カーテンを開けた。遮られていた曇り空の明るさが目を突き刺す。

「・・・・お前彼女どうしたんだよ」

さっきまで俺が寝ていたベッドに腰掛けて煙草を吸おうとしている痩躯に声をかける、硬質で低い声に自分でも驚く。
聞きたくない事実を知ろうとする俺は馬鹿なんだろうか

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